力を束ねるということ

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日本橋三越本店での「おへそ的、お買い物のすすめ」展は無事終了いたしました。
たくさんの皆さんにお越しいただき、本当にありがとうございました。
出店者の皆さん、「おへそ」にご協力いただいて心より感謝いたします。

 

毎日バタバタしておりましたが、
よ〜く考えてみれば、東京の「おへそ」とも言える日本橋の、老舗百貨店の、しかも中央ホールで
自分が12年前に、こっそり小さく立ち上げた雑誌の名前をつけたイベントができるなんて
本当に信じられない気持ちです。

 

我が父などは、自分が幼いころ、祖母に手を引かれて行ったあの百貨店の天女の像の下でのイベントを
ことのほか喜んで、
2年前、一番最初にここで「おへそ展」を開いたとき、
あの天女さまの下で私がマイクを持って挨拶した写真をプリントアウトし
誰かがうちにやってくるたびに持ち出してくるので
あちゃ〜!と思いながらも
まあ、親孝行できてよかったかなと思っています。

そして、おへその会場をぐるりと見渡すたびに、
そこには、ラウンダバウト/アウトバウンドの小林さんがいらして、
熊本から駆けつけてくれたon the booksの上田千春さんが、カッコよく立っていて、
コロモチャヤの中臣美香さんがテキパキと働き
カオリーヌの狩野さんがこまに運んでくださったチーズケーキが並び、
サボンデシェスタの附柴彩子さんがニコニコを笑って……

まだまだ他にもたくさんの方が集ってくださって
この「おへそ展」が成り立っているのだなあと
みなさんの姿へ手を合わせたくなりました。

 

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実は、私は学生時代、群れることが苦手で、
どこのグループにも属さない渡り鳥でした。
なのに、誰かに認めてもらいたいという願望は人一倍強い目立ちたがり屋。
なんとも厄介な人だったのです。
しかも、フリーライターになりたてのころは、
必要以上にナーバスになって、周りはみんなライバル!
みたいに、ピリピリしておりました。

気にしいでビビリンボのくせに、プライドが高く
誰かに何かを頼むなんてできなくて、
ぜ〜んぶ自分で抱え込むタイプ。

一人で頑張って、願わくば、抜け駆けをして評価を独り占めしたい!
そんなヤツだったよな〜と思い出します。

(今でも、そんなところはきっとどこかに眠っているかも……)

 

でも、いつの頃からか
「暮らしのおへそ」は、自分で立ち上げたから、自分一人で書かなければと思っていたけれど、
編集のワダさんや、アイちゃんの目が入ることで、
私のアンテナには引っかからなかった人に会いに行き、すご〜く面白いページが出来上がったりと、
本づくりが多層的になり、より深みがあることを知り、

おへそ展では、
みんなが福岡から、北海道から駆けつけげくださって
自分一人ではできなかった「おへそ的マルシェ」が立ち上がる感動を味わい、

「大人になったら着たい服」や「暮らしのまんなか」などのムックを作る時
単行本を作らせていただく時には、
優秀なカメラマン、デザイナーさん、そして編集者に力を貸してもらうことで、
そのクオリティがぐんと上がることを実感し、
取材をさせていただく方と出会うことで、内容がぐっと濃くなり……

と、
今手掛けている仕事のどれもが、
自分一人の力では、とてもできないことを、
周りの方の力を借りることで、
自分以上の大きなコトを動かしているんだ!と知るようになりました。
もしかして、世の中ってこうやって動いてるのかも?
おくればせながら、そう感じているところです。

自分が非力なことを嘆くより、
周りを見渡して、「できる人」を探せばいい。
自分がお手上げのことなら、ちょっと恥ずかしくても、思い切って誰かに声をかければいい。
知らないことを知りたいなら、自分で学ぶのもいいけれど、知っている人に教えてもらえばいい。

そうすれば、
「できること」がもっと多くなる。
思いもしなかったことができるようになる。

人生の後半は、そんな体験を増やして行きたいなあと思います。

まずは周りの人と出会うことから。

自分で「おへそパーティ」など、パーティを主宰するくせに、
人のパーティーに行くことは苦手、
そんな「明るく閉じている」私ですが、
ちょっと扉を開けて、気軽に出かけてみよう!
と思うこの頃です。

 

 

 

 

 

 


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