非効率の中の幸せ

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東京では週末雪が降り、びっくりいたしました。
昨日は一転青空が広がり、変わりやすい春の天気が続きますね。

近所では、モクレンやコブシの白い花が咲き、その姿を見るたびに、
この花はなんて潔く、気高く咲くのだろうと毎年思います。

みなさまいかがおすごしでしょうか?

私はこの週末、ランチパーティーへ。
呼んでくださったのは、なんと25年ほど前に「美しい部屋」の取材で
お世話になった寺川早苗さんでした。

「おへそ展」に来てくださって再会。
その後、寺川さんがお勤めの『リクシル』でのトークイベントに呼んでいただき、
昨日、25年前に取材に伺ったその部屋で
たくさんのおいしい料理をご馳走になったのでした。

 

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メイン料理は餃子!
25年前、寺川さんちに取材に伺ったとき、私はちょうどリコンが決まった頃でした。
撮影が終わったのは夕暮れ時。
「ご飯食べてって!」と
大家族に混ぜてもらって、いただいたのが、ホットプレートで焼く餃子でした。
ワイワイと餃子を焼きながら、フハフハ食べる。
その家族の温もりに、私は自分で望んだことではあったものの、
失ったものを思い、帰り道に涙したのでした……。

そんなお話を寺川さんにしたら、「じゃあ餃子を作りましょう!」となったというわけです。
その他にも、びっくりするほどのたくさんの料理が並び、
お友達たちも加わって、みんなで楽しいひとときを過ごしました。

 

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料理をいただきながら、みんなの仕事の話を聞いていると……。
新作発表会があったとき、寸劇をしてその作品のよさを伝えたそうです。
寺川さんはその衣装づくりを一手に引き受けたそう。

お友達の梶原さんは、かつて保育園の先生で、
その卒業生と40年以上、手紙のやりとりを続けているのだとか。

そんなお話を聞いていると、私は、普段なんて効率重視で動いているんだろう………
と我が身を反省しました。
いかに効率よく仕事を片付けて、
いかに短時間で家事を終わらせ、
いかに無駄をなくすかばかりに必死になっている気がする……。

でも、寺川さんたちは、あっちでもこっちでも、非効率だったのです。
そこまで求められていないのに、寸劇の衣装を縫い、
子育てと仕事の両立で忙しいにも関わらず、卒業生に手紙を書く……。
そこから生まれる幸せを、改めて見せていただいた気がしました。

人は、誰かのために使った時間を
優しさという宝に変えて、自分の中に積むことができるのかもしれません……。

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以前「時間を整える」で取材をさせていただいた山口揚平さんが、ネット記事で書いていらっしゃったことを
ふと思い出しました。

「モノやコトではなく、『関係』の価値が高まっていくでしょう。
(中略)
『好きな人と好きなときに、好きにいる』が価値を持つようになっていく。
このように『関係』が財になっていく流れを、ぼくは『ピア経済』と呼んでいます。
(中略)
ピア経済においては、お金よりも『時間』が大切になる。
お金を払って何かを受け取るのではなく時間をシェアすることで、関係が作り出されるからです」

私にとって、大事なものはなに?
効率をちょっと横においておいて、
そう自分に問いかけてみたくなった週末でした。

みなさんの大事なものはなんですか?

 

今日もいい1日を!

 

 


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