美しきワガママンたち

目的地へは急がない。たどりつくまでは、経験の蓄積だから。村上みゆきさん vol3

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ワガママになるって難しい……。
そう考える私が、見事にワガママに、そして生き生きと生きる方にお話を伺いに行くシリーズ
「美しきワガママンたち」。
東京、西荻窪で紅茶教室「お茶の時間」を主宰されている、村上みゆきさんにお話を伺っています。
vol2では、紅茶教室を開くまでについてお話いただきました。

取材の日、村上さんが作っておいてくださったのが、ヴィクトリアケーキ。
「イギリスのお菓子で、紅茶にも合うんです。
普通のスポンジって、卵にたくさん空気を入れて焼くんですが、
このバタースポンジは、バターの方に、砂糖を混ぜながら攪拌して空気を含ませていくんです。
だから、バター生地なんですがそんなに重さがないんですよね。
ベーシックな生地にちょっと春らしくレモンカードとチーズクリームを挟んでみました」

このケーキのおいしかったこと!
しっかりした生地で、でも軽やかで。
レモン風味のちょっと酸味のあるクリームがさわやか!

このほかチョコレートのショートブレッドとライムが入ったサブレが並びます。

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カフェや紅茶専門店で働いたのち、紅茶教室を始めることを決めた村上さん。
なぜ、教室を?と聞いてみました。

「紅茶屋さんで働いていたときに、お客さんとの会話の中で、家での紅茶の淹れ方を聞いてみると
『あのね、茶こしに茶葉を入れてお湯を注いで……』と言われてびっくり!笑
せっかくいい茶葉を買って帰っても、『それじゃあ茶葉をお湯が通過しているだけだから、
色がついているお湯ですよ〜』と思って、でもそれが言えなくて……。
やっぱりすべては『淹れ方』なんだよなと思ったんです。
カフェに行くのもいいけれど、自分のおうちでゆっくり紅茶を淹れた方が、
おいしくて好みの味を楽しめる。それを伝えていきたいなと思いました」

せっかく製菓学校を卒業し、ケーキ作りもできるのに、
紅茶のおいしいカフェを開く、という選択肢はなかったのですか?と聞くと……。

「友達がカフェをオープンするというので、ちょっと手伝ったんです。
物件を探し、メニューを決めて、という段階から関わったので、
飲食店をするには、ものすごくお金がかかる、っていうことを、初めて現実として知りました。
金銭的に私には無理だと思ったんです。
お店を作って終わり、ではなく、売り上げが少し下がる時期があっても継続できるぐらい
貯えがないと……ということが痛いほどわかりましたから。
やりたいけれど、『今』じゃないなと思って」。

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つまり、本当の最終目的はカフェを開くこと……。
「でも、全然急いでいないんです」と村上さん。

そのゆったりとした歩み方に驚いてしまいました。
私なら、最短距離で目的地に到達したいと思うから……。

「いろんなことをやってみて思うのは、何事も経験だってこと。
お茶を淹れることも、茶葉についても、まだ学び途中だと思っているんです。
みんな、歳を重ねることを嫌がるけれど、
私は経験や知識が増えていくので素晴らしいことだなあと思うんですよね。
だから、体力的に大丈夫でさえあれば、
おばあちゃんになってからやれればいいかなって」

なんて着実なことでしょう。
「早く結果出したいとは思わないの?」と聞いてみると……。

 

「私、しつこい体質なので。笑
気が長くて、しつこくて、粘り強いんです。
だからやりたいことしかやらない。
自分がこうって思ったら人の話もほとんど聞きません。
だから、『じゃあ、今度これをやります』っていうと、
周りの人が『え?なんで?』ってびっくりするんです。
でも、私の中では、ず〜っと考えてきたことなんですよね」。

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こうして、紅茶教室をオープンするために、まず始めたのが物件を探すことでした。
教室ができて、住まいにもなる……。
そんな物件を探しましたが、これがなかなか見つからない!

次回は、物件探しの結果を伺います。

 

 

撮影/清水美由紀

 

 

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