思い出のさっぱりトマトカレー

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もう2月になってしまいましたが、今年初めての更新です。
今年もよろしくお願いします。

さて、少し前のことになってしまいますが……。
例年、来客や外出が多くお正月も忙しい大谷家ですが、
今年はお家で家族とゆっくり平和な時間を過ごしました。

日のある内から、おせちをつまみに日本酒の杯を傾けながら思ったこと。
「おせちってどれもだいたい同じ味だな」
甘辛い醤油の味、お酢の聞いた味、お砂糖の味。
美味しいんだけどだんだん….そう、飽きてくるのです!
(わかっています、おせちに罪はないってことは、でも…)
と、その時に、「おせち飽きたらカレーもね」
懐かしいボンカレーの名コピーがポンと浮かんで来たのです(笑)

そうだ、明日はカレーでも作ろうか、と、カレーを作って明けたお正月から数えて1ヶ月。
飽きるほどおせちを食べることは、もう来年のお正月までないけれど、
いつだって美味しい我が家で人気のトマトで煮込むさっぱりカレーを紹介します。
ひき肉をスパイスで炒めて、トマトと玉ねぎのピューレでと煮込み、玄米やナンと共に食べるというスタイル。

このカレーの味のベースになっているのが、私の母校(であり哲也の元職場)、
滋賀県立窯業(ようぎょう)技術試験場(焼き物作りに興味があるそこの君!または、そんな若者を知っているというそこのあなた!焼き物を学ぶには素晴らしい施設です、一度訪れてみてはいかがですか?)
で出会ったミーラというネパールからやって来た研修生が作ってくれたカレー。
ある時、みんなで集まってご飯を食べようという事になり、
ミーラが故郷の料理を作ってくれることになりました。
一緒にスーパーに買い出しに行くと、信じられないくらいの量のプチトマトを購入。
どうするの?と聞くとカレーを作るという事でした。
肉とスパイスを炒めて、トマトと玉ねぎをジューサーでトロトロに潰した汁で煮込む
シンプル極まりないものでしたが、そのさっぱりとしたフレッシュなカレーが
たまらなく美味しかったのです。

みんなでカレーを作りながら彼女は故郷で待っている
旦那さんや小さな娘さんのことを話してくれました。
今思えば、彼女は大決心をしてやって来ていたのだろうな。
どうしてるかな?このカレーを作ると彼女のことを思います。
まだ焼き物の仕事をしているだろうか?立派な窯業技術者になって活躍してるかな?
20年以上前に自分が作ったカレーを元に信楽でカレーを作っている人がいると知ったら驚くだろうな。
私がこんなことを考えている時、ネパールでくしゃみしてるかも…
反対に誰かがどこかでこんな風に私のことを思い出してくれている可能性もあるって事だから、
これからくしゃみが出たら<誰かが私とご飯を食べた時のことを
思い出してくれていると思うことにしよう(ニヤニヤ)

カレーといえば、学生時代のルームメイトであり親友、
ベトナム系アメリカ人の(今は亡き)ファンちゃんと作った
ココナツミルクのチキンカレーも美味しかったなあ、レモングラスとチリのきいたやつ。

一度にたくさん作って何日も飽きずに同じもの食べていた。
食べながらの他愛もないおしゃべりの中ある時ふと
「赤ちゃんの時にボートに乗ってアメリカに来たんだよ」と話してくれた。
とつぜん目の前に生きたヒストリーが現れて戸惑う私に
「まあ、私は全然覚えてないけどさ、アハハ」と明るく笑ったファンちゃん。
会いたいなあ。
子供を持つ今、赤ちゃんを連れて壊れそうなボートに乗り
ベトナムからアメリカへ向かうお母さんの心境を想像すると胸が締めつけられる。

昼ごはんに前夜の残りのカレーを食べている間、いろんな思いが頭を巡って、、、
「ごちそうさま」と手を合わせた時には
まるで旧友を訪ねる旅から戻ってきて「ただいま」と言ったような錯覚に陥ったのでした。

 

<材料>(約5人分と次の日の2人分のお昼ご飯程度)
(一夜おくと味が馴染んで美味しいので是非多めに作ってみてください)

豚ミンチ 500g(塩小さじ2と胡椒少々をもみ込んでく)(お好みのお肉を使ってください)
トマト 中6個(約800g)(トマト缶2個でも)(ヘタを取ってざく切り)
玉ねぎ 大1個(トマトと同じくらいのサイズに切る)
ひよこ豆(茹でたもの)2カップ(約400g)
カリフラワー 1個(素揚げしたナスや刻んだパプリカ、キノコなどを入れても美味)
ニンニク 1片(みじん切り)
生姜 1かけ(約10g)(みじん切り)
オリーブオイル 大さじ2

(ブーケガルニ)
ベイリーフ 2枚
タカノツメ 1個
シナモンスティック 5cmくらい
クローブ 5粒
クミンシード 小さじ1

(ミックススパイス)(このカレーが3-4回作れる分量)
ターメリック 大さじ2
コリアンダーパウダー 小さじ4
ガラムマサラ 大さじ4
チリパウダー 小さじ2

*大さじ=15g
*小さじ=5g
*市販のカレー粉を使っても良い

[下準備]
*トマトと玉ねぎをジューサーやフードプロセッサーにかけトロトロのピューレにする。
*ミックススパイスの材料全てを蓋つきの瓶に入れよく振って混ぜておく。

 

1. 厚手の鍋にオイルとブーケガルニ、みじん切りにしたニンニクと生姜を入れ弱火にかける。
2. スパイスの縁からぷつぷつと小さい泡が出て香りが立ってきたらミンチを入れてポロポロになるまで炒める。
3. 2にミックススパイス大さじ2(これで中辛くらい、辛いのが苦手な方は少しづつ入れて調節してください。スパイスを揃えるのが大変なら市販のカレー粉でも可)を入れて全体にからめる。
4. トマトと玉ねぎのピューレを入れて中火にかけ、煮立ったらひよこ豆も加えて蓋をして中〜弱火で少し煮込む。(15−20分くらい)
5. カリフラワーの芯を小房に分けて4に入れ、蓋をして中〜弱火で煮込む。
6. 煮汁が3分の2くらいに煮詰まったら、塩(分量外)で味を整える。バターをひとかけ入れるとコクが出ます。

 

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シンプルな材料とエスニックなスパイス。一度スパイスを揃えれば何度でも作りたくなるんです。

 

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トマトと玉ねぎをざく切りにして

 

フードプロセッサー(またはジューサーやハンドミキサー)でトロトロに

 

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ブーケガルニとニンニクと生姜を弱火で炒める、油に香りを移す感じで

 

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ひき肉を入れて

 

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ポロポロになるまで炒め

 

ミックススパイスを投入し

 

スパイスを全体にからめる

 

用意しておいたトマト玉ねぎジュースを入れて中火で煮る

 

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煮立ったらひよこ豆を入れて蓋をし、20〜30分くらい煮る。途中焦げないように何度か混ぜる。

 

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小房に分けたカリフラワーを入れて蓋をし、またしばらく煮る。
カリフラワーがくたっとして、汁が元の3分の2程度に煮詰まったら、(お好みで)バターひとかけを溶かし最後に塩で味を整える。

 

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お好みで半熟目玉焼きをのせ、混ぜながら食べると、また美味しい。
玄米でも白米でもナンでも、好きなものと合わせて食べてください。


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