きときとノート

ノート10 「わたし」が消えても、喜びは残る!

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明けましておめでとうございます。
キリッとした寒さに、抜けるような青空。
お正月らしい凛とした空気に触れると、背筋をしゃんと伸ばして歩きたくなります。

年明けのスペシャル企画だった一田さんの「青春プレイバック」、
毎日ドキドキしながら読んだという方も多かったのではないでしょうか(もちろん私もその1人です)。
ええ〜!と驚いたり、うんうん頷いたり、胸がキュンと切なくなったり…。
普段私は文字起こしでいろんな方のインタビューを聴いていますが、
その人が人生という歩みの中で、何を思い、どんな選択をし、何を大切に生きてきたのか、
そこを知るたびに、その人のことがどんどん愛おしくなります。
一田さんの青春に触れ、ますます一田さんのことが愛おしくなってしまった2020年の始まりです。

 

昨年は私にとって、大きく世界が広がった1年でした。
ライター塾が始まり、一田さんの読者の方々とお会いする機会がたくさんあったこと。
この連載を通して、いろんな方に自分の書いた文章を読んでもらえたこと。
何もわからないまま飛び込んだ文字起こしから、また新たな展開が始まりました。
その新しい世界が本当に楽しくて、なんて幸せなんだろうと思います。

文字起こしも、ライター塾のお手伝いも、言ってしまえば裏方です。
どんなに文字起こしを頑張っても、誌面に自分の名前は出ません。
でも、自分でも意外だったのですが、どうやら私は「裏方体質」だったようなのです。

 

私が文字起こしという裏方の作業をすることで、一田さんは原稿そのものに集中することができます。
完成したテキストを納品すると「いつもありがとう!助かります!」と毎回のようにメールをくださるのですが、
自分の精一杯の力を注いだ先に誰かからの「ありがとう」があるということは、何物にも代えがたい喜びです。
ライター塾のお手伝いで気がついたのは、お茶を出したりフリーで動き回ったりすることで、
「場が気持ち良く回っていることが嬉しい」と感じている自分の姿でした。

もちろん私にも「自分が注目されたい」という欲はあります(笑)。
でもそれ以上に、台所でお茶の準備をしたり、お手拭きを濡らして一つずつ丸めたり、せっせとお弁当を運んだり、
そうやって裏方として動き回っていることが、ものすごく楽しいのです。
一田さんのお手伝いを通して、知らなかった自分の一面を見せてもらうことができました。

 

世の中には、手を動かして何か形のある作品を生み出す人や、
音楽やアートで心の機微を表現する人や、言葉や文章で気づきを与えてくれる人がいます。
そういう人たちに憧れていた私は、「自分も目に見える何かで活躍できたら」と、どこかでずっと思っていました。

しかし、今私が喜びを感じている裏方の場面を思い返してみると、
そこに「わたし」の姿はありません。
でも、そこに「わたし」がいなくても、こんなにも楽しいという実感がある…。
そうか、自分という存在が消えても、喜びは残るんだ!
これは私にとって本当に大きな発見でした。

 

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以前、とあるテレビ番組で、
お笑いライブの制作会社を設立した児島気奈(こじま きな)さんという女性を紹介していました。
小学生の頃に観た「ボキャブラ天国」でお笑いに目覚め、お笑い芸人としてデビュー。
しかし活動は思うようにいかず、彼女は裏方の立場へ。
自分で制作会社を立ち上げ、事務所という縛りのあったお笑いライブを、
事務所の垣根なく、いろんな芸人さんが参加できる場にしました。
彼女の企画するライブは毎回大盛況、
たくさんの芸人さんから信頼されている彼女を「お笑いに抱かれた女」と呼ぶ人も(笑)。

きっと児島さんも、裏で動く喜びを知っている人です。
仲間を見つけて、ふふふと嬉しくなってしまった私でした。

 

自分にもできることがある、力を注げる場があるということは、日々を生きる糧になります。
今年も、与えられたこの場所で、ますます尽力してまいりたいと思います。

素敵な1年になりますように!

 

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