カボチャのグラタン

top

信楽の冬は駆け足でやってきます。11月も中盤に入るとジェットコースターのように気温は急降下。
Welcome to「薪ストーブに火が灯る季節」となります。

あたたかい都会では考えられないかもしれませんが、そこから、GWの始まる4月の終わりくらいまで、
約半年間、ストーブの火が絶えることはありません。
寒い季節の始まりを思うと辛い部分もあるのですが、毎年、薪ストーブに点火する時は家中が幸福な空気に満たされます。静かに深く部屋の中を温めてくれるストーブの炎を眺めていると飽きることがありません。

暮れかけにぐっと気温が下がった日には身を寄せ合って温かいオーブン料理をフーフー言いながら食べたいもの。
今年は私の畑のカボチャがたくさん実ったので、今回はこれを使ってグラタンを作ろうと思います。

自分の育てた野菜でおかずを作れたら素敵だな、そう思って始めた畑作業。
始めたばかりの頃は小さくて貧相な野菜ばかりでしたが、最近では家族がそこそこ食べられるくらいの収穫を得ることもできるようになってきました。

田舎に暮らしていると野菜作りのツワモノに出くわすことはしばしば。
中でも極めつけだったのは、この家に越してくる前に借りていた家の隣のおばあちゃん。
当時すでに80歳を超えておられたのですが、ひ孫をおぶって毎日朝から夕方まで畑であれこれ作業をしていました。
私たちもよく立派な野菜や、それで作ったお漬物や佃煮などの保存食をおすそ分けにいただきました。

ある早春の雨の後の朝のこと…
「タケノコ掘ってきたで」とドロドロの長靴姿で玄関先に現れたおばあちゃんの神々しい姿は忘れられません。
「雨降った後は、なんぼでも出てくるさけ、あんたとこのぶんも掘ってきたったわ」
(雨が降った後は(タケノコが)いくらでも出てくるので、あなたの分も掘ってきてあげたよ)
「おばあちゃん足元悪いのに、山に行ってタケノコ堀りなんてすごいね!スーパーマンみたい!」と、私。
「なんもすごないわ、このおばあちゃんは車はおろか自転車にも乗れへんねんで」と謙遜するおばあちゃん。
(なんでも、おばあちゃんは若い時に15人(くらいだったと思う、とにかく大勢)の大家族に嫁いできて、
朝からおくどさんに火をつけてご飯を炊いたり、着物を洗ったりしている間についに自転車の操縦方法を
覚える機会を失ったという、ちょっと寂しいような面白いような話を以前してくれていましたが、
おばあちゃんのやっていることは明らかに自転車や車を運転することよりもすごい、と私は思ったのでした、笑)

とにかく、そんなおばあちゃんの背中をはるか彼方に仰ぎ見ながら、畑を耕しては種をまいています。
いつか私もおばあちゃんになる日が来て、孫と一緒に畑仕事ができたらいいなあ。
隣のおばあちゃんのように、一日中おんぶして鍬を振り回すことは、多分無理だろうと思いますが…

さて、このグラタン、大きな耐熱鍋にドンと作ってグツグツ&アツアツをテーブルに出せば大歓声まちがいなし。
寒い夜の宴にひとついかがですか?

 

harvest

今年は栗かぼちゃが豊作でした!これでグラタンを作ります〜

 

ingredients

<材料>(5−6人分)(φ24cmの深い平鍋で)

カボチャ 500g(2-3cmくらいのキューブにカット)
鳥もも肉 300g(カボチャと同じくらいの大きさに切り塩小さじ1と胡椒少々をもみ込んでおく)
太めのパスタ 250g(アルデンテに茹で、軽くオリーブ油をからめておく)
ブロッコリー 1個 (小房に分けて硬めにゆでておく)

タマネギ 大2分の1個(2mm程度にスライス)
バター60g
牛乳 1000cc
薄力粉 大さじ6

とろけるチーズ 100g

塩、胡椒、ナツメグ、パセリ 適量

 

cut-pumpkin

一口大に切ったカボチャをボウルに入れてラップをかけ電子レンジで柔らかくする(*600Wで約7分)
(*レンジの性能により加熱時間に違いがあるので調整してください)

 

cooked-pumpkin

竹串がすっと通るくらい柔らかくなったら、ざるに上げて水を切る。

 

butter

平鍋を弱火で温めバターを溶かす。

 

onionbayleaf

中〜弱火でタマネギとベイリーフを炒める。

 

chiken1

タマネギがしんなりしてきたら、鶏肉を加えて炒める。

 

chiken2

鶏肉の表面が焼けたら、薄力粉を入れて…

 

chiken3

全体にからめる。

 

%e3%83%9b%e3%83%af%e3%82%a4%e3%83%88%e3%82%bd%e3%83%bc%e3%82%b9

牛乳を3-4回に分けて入れ、その都度よく混ぜ、やわらかいカスタードクリームくらいのとろみが出るまで煮る。
その間、底が焦げやすいので、ゆっくり混ぜ続ける。
とろりとしてきたら、火を止め、塩胡椒で味を整え、ナツメグを挽く。

(*大谷製陶所の平鍋は直火にかけて調理できるので、グラタンのソースを作るところから、具材を混ぜてオーブンで焼くところまで全て1つの鍋でできますが、直火にかけられない調理器具を使う場合は、ここまでは厚手のお鍋や深めのフライパンなどで作ってください。)

 

pumpkinpasta-in

下ごしらえしておいたカボチャとパスタを入れて混ぜる。

 

broccoli

ブロッコリーを散らす。

 

cheese

とろけるチーズをまんべんなくかけ、200℃のオーブンで25〜30分、チーズが黄金色に溶けて鍋の縁からソースがグツグツ踊るような感じになるまで焼く。(*オーブンによって多少差があるので焼き時間は調整してください)

 

top2

(お好みで)刻んだパセリを散らす。

 

glatin-plate

お皿に取り分けてアツアツをどうぞ!


特集・連載一覧へ