人生の元を取るって?

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先日、森岡書店で開催された石村由起子さんの出版記念イベントに行ってきました。
奈良の大きな大きな柿と一緒に新著を購入。

そっとページを繰ると、田所真理子さんの美しいイラストが随所にちりばめられて
石村さんの力強い言葉が綴られています。

拝読しながら感じたのは、
石村さんは「今ここ」がどうしたら心地よく、幸せになるかを
常に常に「考え続けて」こられたということ……。

たとえ、「今」が自分の望み通りの居場所でなかったとしても、
「どうして……」と「できないこと」を拾い上げるのではなく、目線をあげて「できること」を探し続ける……。

見開き2Pごとに1つのエッセイという構成なのですが、
小見出しがすばらしい! ぐっと心に刺さる言葉が並んでいます。

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このほかにも、

「商売の神様と出会う方法」

というページには
「アルバイトだからと言って、決められた時間だけ、そこにいればいいとは私は思わなかった。
働いている以上、その店の、そのお店のお客様の役に立ちたい。
これは今も変わらぬ私の信条です」

 

「木を育てる」という第2章の扉のリードには

「遠い未来の目標を立てるよりも、日々のマイナーチェンジが大事です」

「人生の秋をどう過ごすのか。
私からみなさんへの
問いかけです」

というページには
「これからの20年、私は元を取らないといけないのです。元を取る、というのはお金のことではなくて、
いかに楽しく充実した生活を新しい家で送れるか、です。猛烈に楽しもうと思っています」

人生の最終章の扉を開ける年齢になったとき、
こんな風に「猛烈に楽しもう」と言える、歩み方をしたいなあとしみじみ思いました。

楽しくても、つまらなくても、ちょっとつらくても、ワクワク楽しくても、
自分の足元に種を蒔き続ければ、
きっと芽が出て、花が咲き、人生の終盤を生きる舞台を彩ってくれる……。
エッセイの行間に石村さんの姿を垣間見ながら、そんなことを思いました。

石村さんは今もまだ種を蒔き続けていらっしゃいます。
私も、今日蒔ける種を探そうと思います。

 

 

みなさま、いい一日を!

 

 


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