大谷桃子の、母から娘へ。受け継ぐレシピ 日々のこと

ナスのはさみ揚げ

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今夏、アメリカはオレゴン州のポートランドで展覧会をするために2週間ほど渡米しました。
ポートランドは私が通ったオレゴン大学のあるユージーン市から車で北へ約2時間、
オレゴン州の中で一番大きな街です。
学生時代の友人が取り持ってくれた縁で、今回オレゴンで展覧会ができるという夢のような話が実現しました。

思えば、日本を恋しく思いながら母が送ってくれた料理本(栗原はるみさんの)を片手に
「普通のおかず(これが、海外にはないんです!)作り」に初挑戦をしたのもオレゴンでした。
ご飯作りに慣れてきて、少しドキドキしながら「ちょっと作りすぎたから食べに来ない?」
と初めて友達を誘ったことを思い出します。
「おいしいね」って言ってもらえたのが嬉しくて、その後もいろんな友達と一緒にご飯を作って食べたものです。
ふざけあって笑ったり、悩みを打ち明けあったり、悲しくて泣いたりした時も
いつも何かを食べたり飲んだりしながらだったような気がします。
今回の展覧会には古い友人もたくさん駆けつけてくれて、みんなと話していると学生時代がつい先日のことのように感じられ、まるでタイムマシンに乗っているような気分でした。

今では大谷家の定番となった、夏休みに仕事を兼ねて海外へ家族で旅に出るというイベント。
私達のことを全く知らない人達が作品を見たら、どんな反応が返ってくるんだろう?海外で展覧会がしてみたい…
そんな夢を持っていた私達の元にチャンスが舞い込んできたのは8年前。
友人の紹介でシアトルのギャラリーで展覧会ができることになったのです。
当時、花が小5、風は小3、緑は小学1年生。
ダンボール10箱に詰められるだけの作品を詰めて、箱と共に3人娘の手を引きアメリカへ旅立ったのでした。

あれから光の矢の様に月日は流れ、娘たちはティーンエイジャーに。
今回は予備校の夏期講習のある花と陸上の大会の重なった風を残して、
緑とてっちゃんと私の(ちょっと寂しい)3人旅となりました。
(このことはまあ、去夏には覚悟していたことなのですが…)
私達の家は山奥で駅からも遠く車がなければ学校にも買い物にも行けないのですが、
花が免許を取得したので一安心。
免許取りたての娘に留守を任せていくのは心配でもありましたが、いつかは通る道。
近頃は便利になって外国にいても簡単にやり取りができます。
LINE電話でいつでもおしゃべりできるし、互いの様子がわかる写真もポンポン送れるし、
まるですぐそばにいるような錯覚に陥ります。

が、ある時、風が「今夜のご飯はナスのはさみ揚げを作りました〜」と写真を送ってきて、
「わーすごい美味しそう、味噌汁も作ってるし!一緒に食べたいな…」と思ったものの、日本は遥か彼方。
いくらSNSで簡単にやりとりできても、ご飯を一緒に食べに駆けつけることはとても無理。
ナスのはさみ揚げに現実の距離を思い知らされたのでした。
風が作ったナスのはさみ揚げの写真を見て少しホームシックになった私、
早速、その週末にあったPLACE(今回お世話になったギャラリー)のスタッフとのホームパーティーで、
ナスのひき肉サンドオーブン焼きを作ることに。
大きなナスを薄くスライスしてひき肉だねを挟みオリーブオイルを回しがけてオーブンで焼いて出すと、大好評。
「実は留守番している娘が家でこうゆうものを作っていてね、ちょっと恋しくなったんだ」と話すと、
同じ年頃の子供さんのいるスタッフ、「わかるよ、その気持ち!私も娘がヨーロッパ旅行していた時は
毎日ちゃん食べてるかな?ってずっと心配していた」
その娘さん、「すごいの作ってるねー、私だったら毎日ピザのデリバリーだなあ、アハハ!」
私、「日本のナスは小さいよ、アメリカのナスが大きくてびっくりした!」
背の高いスタッフ、「体のサイズと一緒だね」と小さい私の横に並んでニッコリ。
ナスの料理から始まってみんなでワイワイしばらくおしゃべりに花が咲きました。
本当に美味しい食べ物は絶大なコミュニュケーションツールです。

これから広い世界に出て行くみんなに(どんどん出て行って欲しい)私から一つアドバイスを。
複雑なものは何もいらないけれど、自分の好きな、できれば自身の文化(日本)のエッセンスが
少し入った料理を二つ三つ覚えておけば、間違いなく、いろんなシーンで世界を広げるきっかけを作ってくれます。Keep in mind!(おぼえておいてね!)
今回はナスのはさみ揚げと、オーブンで焼きを紹介します。秋ナスが美味しい季節にぜひお試しください。

<材料>
ナス 5本(4等分に斜めスライス)
豚ミンチ 300g
玉ねぎ(中)2分の1個(みじん切り)
シイタケ 1個(みじん切り、香りが良いので私は入れますが、なくてもOK)
塩 小さじ1
胡椒 少々

パン粉 約2カップ
薄力粉 約25g
卵 2個くらい

*レシピは5人分です
*カップは200ccのものを使用
*小さじ1=5cc

1.ナスを斜め4等分に切り、片面に薄力粉(分量外)を振る。ヘタの部分は刻んで肉だねに混ぜる。
2.豚ミンチに玉ねぎ、シイタケ、ナスのみじん切りと塩胡椒を加えて手でよくこね、10等分に丸める。
3.薄力粉を振った面を内側にして、肉だねを挟む。
4.薄力粉→卵→パン粉の順に衣をつける(友達や家族3人でやるとすごく早い作業)。
5.中温の油でキツネ色にふわっと軽く浮き上がるまで揚げる。

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材料はいたってシンプル

 

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ナスを斜めにカット

 

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はしっこはみじん切りに

 

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肉だねにみじん切りにした野菜と調味料を入れて…

 

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手でよく混ぜる

 

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ねっとりまとまるようになれば完成

 

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10個のボールにまとめる

 

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ナスの断面に薄力粉をふる

 

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ノリの役割を果たしてくれます

 

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肉だねをしっかり挟む

 

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薄力粉→卵→パン粉の順に衣をつける

 

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10個分完成

 

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中火でカラッと揚げる

 

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我が家ではとんかつソースをかけて食べます。
味噌汁とご飯でも、スープとパンでもどちらでも合います!

 

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衣をつける前のナスに肉だねをを挟んだものを耐熱容器(大谷製陶所の平鍋がいいですよ〜)に並べて隙間にプチトマトを置き、
オリーブオイルを回しがけ、200度に温めたオーブンで20分、その後、250度にあげて5-10分軽く焦げ目がつくまで焼く。
(オーブンの温度や時間は目安です)今回は焼き上がりにバジルペーストを垂らして、トマトを潰してソースのように絡めながら食べました!

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