文旦ジャムのほろ苦い思い出

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高知のろぼ農園さんから、注文していた無農薬の文旦が届いたので、
さっそくジャムを作りました。

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箱をあけたとたんにいい香り!

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まずはぜ〜んぶ剥きます。

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皮を刻んで。部屋中文旦のいい香り。

これをコトコト煮込めば出来上がり。
いつもは瓶詰めにしていたのですが、冷凍庫半分ぐらいを占領してしまうので、
今年はジップロックで冷凍してみることにしました。
今のジップロックはジッパーつきになったんですね!
開け閉めが簡単で助かります。

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これで、約半年はもつはず。
レシピは堀井和子さんです。
堀井さんのパン作りの本で、文旦でジャムを作るんだ!と知ったのは、もう十年以上も前の
おはなし。
私は堀井さんが大好きで、ご著書を読んで
「へ〜、紅茶にあう牛乳を買うために、ひとつ向うの駅まで買い物に行くんだ!」と感動したり、
堀井さんレシピでずっと丸パンも焼いておりました。

実は、堀井さんといえば、私にはほろ苦い思い出があります。
こんな大好きな方だから、ぜひ取材がしたい、と思い
ある方がお知り合いだったので、「紹介してくれませんか?」とお願いしました。
すると
「一田さん、私も20年以上かかってやっとご縁が結ばれたんです。
そのへんのこと察してくださいね」
とやんわりと断られました。

そのとき、ハッとしたのです。
人と人の縁って、その人にとっては財産なんだなあって。
それを、簡単に「紹介して」なんて、
なんて失礼だったんだろうって。

 

その後、私は「道具の足跡」という本を作るにあたり、
堀井さんにインタビューをさせていただくことになりました。
そして、この小さな出会いをきっけかに
「暮らしのおへそ」でも取材をさせていただくことができました。

「おへそ」の取材に伺って、帰るときに堀井さんは
小さな瓶をくださいました。
なんと文旦ジャム!

私がず〜っと憧れ続け、作り続けてきたジャムの
本家本元でした!
もう嬉しくて、嬉しくて、食べるのがもったいなかったな〜。
私が作るものより、雑味がなく繊細でキリッとした味だったように思います。

会いたい、会いたいとずっと思っていたら、
きっと会える日がやってくる。
ご縁は自然につながれるもの。
今はそう思っています。

ライターという職業だから、いろんな方に出会いやすいのは確かです。
でも、私の周りでも
主婦の方が、大好きな方のトークインベントに出かけたのを機に、
お話して仲良くなって、なんとご自宅にまで伺った……と聞いたことがあります。
「思う力」ってすごいなあと思いました。

どこか遠い空の上の世界のお話ではなく、
今この暮らしの延長線上に誰かがいる……。
もしかしたら、まだ見えないけれど、細い糸で繋がっているかもしれない……。
そう考えるとなんだかワクワクします。

そして、有名でも無名でも、1人の人と知り合うということは、
その人の後ろに繋がっているすべての人と知り合うということ。
だから、人との出会いって素晴らしい。
そんな「出会い」を私は大事にしているだろうか……。
すでに出会っている人との縁にも感謝したいなあと思います。

 

 


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